重要

【重要】当社および当社職員を騙った勧誘や偽のサイト・ソーシャルメディアにご注意ください 。詳細はこちら

投資家種類選択に戻る

当社グループのグローバルサイトは、以下のリンクよりご覧頂けます。

地域別の商品やサービスについて、ご自身の地域のナティクシス・サイトをお選びください

アメリカ

アジア・パシフィック

ヨーロッパ

上記以外

プライベート・アセット

プライベート・エクイティのリスクは高まっているのか

4月 09, 2026 - 7 min
プライベート・エクイティのリスクは高まっているのか

相次ぐ金融イノベーションは、分配を増やすことを目的としています。しかしプライベート・エクイティの投資家は、流動性を確保するために、過大なリスクをとる必要はありません

業界から発信されるデータを見て、頭を抱えるプライベート・エクイティ投資家が増えています。流動性が細るなかでレバレッジの水準は平均的に上昇し、投資先企業のバリュエーションは伸び悩んでいます。

このような状況に対応するため、プライベート・エクイティの運用会社は、NAVファイナンスやコンティニュエーション・ファンド(継続ファンド)、リテール向けファンドの導入や、セカンダリー取引の利用拡大など多くの金融イノベーションを導入するようになっています。

業界全体のリスクが高まる一方でリターンは低下傾向にある、という見方もありうるでしょうが、それはプライベート・エクイティ市場の現状を正確に反映しているのでしょうか?

フレックスストーン・パートナーズは、プライベート・エクイティ全体のリスクがより高まっているとは考えていません。

 

競争の激化、増大するレバレッジ、低下する流動性

プライベート・エクイティ業界は、(数年前に比べれば落ち着いたとはいえ)インフレと金利の上昇に加え、マクロ経済や地政学的な不透明感という課題に直面しています。ポートフォリオの成長は鈍化しており、プライベート・エクイティのマネージャーはリターンの押し上げを図るため、レバレッジの水準を引き上げています。

同時に、マネージャーたちは投資先の保有期間を長期化させています。これは、エグジット(出口戦略)の際のマルチプル・エクスパンション(投資倍率の拡大)による高い評価額を期待しているためであり、もしそれが難しい場合でも、少なくとも企業の帳簿価格の上昇を望んでいるためです。こうした状況が流動性を圧迫しており、取引されるのは「Aランク資産(優良資産)」が中心となる一方で、投資家への分配も制限されています。

実際に、エグジットの実行件数や、平均的な投資家向けの分配は減少しています。これまでは、投資家は純資産価額(NAV)の20~25%程度の分配を毎年受けていました。新型コロナ危機直後の2021年には34%近くに跳ね上がったものの、その後は12~14%と、従来の標準的な水準の半分以下へと低下しています。1

さらに、ホールセールやリテールの投資家に的を絞ったファンドの急増も、プライベート・エクイティ市場の健全な発展に対する逆風となっています。こうしたファンドの登場に伴い、待機資金(ドライパウダー)の規模は拡大し、買収価格を吊り上げる要因となっています。

 

金融イノベーションの急増

プライベート・エクイティの運用会社は、分配金を押し上げ、ひいては次のファンド募集を円滑に進めることを主目的として、金融イノベーションによる対応を行ってきました。

一例として今や定着した選択肢が、「コンティニュエーション・ファンド(継続ファンド)」の活用です。コンティニュエーション・ファンドとは、満期が近づいた現行のファンドから選択された資産を引き継ぐ新規のファンドのことで、現行のファンドからの資金回収を希望する投資家に流動性を提供する一方、運用会社(および投資継続を希望する投資家)には馴染み深いトロフィー・アセット(超優良資産)の継続保有が可能となります。現在、業界全体で、このタイプの仕組みはエグジット事例の約半分(1,160億ドル)を占めるようになり、わずか5年前の300億ドル程度から劇的に増加しています。2

フレックスストーンでは、コンティニュエーション・ファンドの活用自体に大きな問題はないと考えます。しかし運用会社の案件売却がコンティニュエーション・ファンドを活用したエグジット(出口戦略)に偏る場合、その時点のNAV(純資産価値)を大幅に下回る価格で取引されるケースが多いため、問題となる可能性があります。

また、パフォーマンスが良好な投資先企業に追加借り入れを行わせ、運用会社と投資家に特別配当を実施する「配当リキャップ」という手法も幅広く活用されています。運用会社はこの手法を用いることで、投資回収を完了する前にリターンの一部を実現できるようになり、また、投資家に対しては、当該企業に対する持ち分を維持したまま流動性を提供することが可能になります。

FRBの利下げとプライベートクレジット市場の拡大を背景に、貸し出しの市場が活況を呈するなかで、「配当リキャップ」戦略は成功を収めてきました。フレックスストーンはこの戦略が一概に悪いとは考えませんが、その妥当性は個々の企業のレバレッジ水準によって判断が分かれるとみています。

これに対して、運用会社がポートフォリオ全体の資産を担保に資金を借り入れる「NAVファイナンス」については、同列に論じられません。これはクロス・コラテラル(二重担保)の一形態であり、他の金融イノベーションと比べて高いリスクになります。もし運用会社がこれを積極的に利用しているのであれば、ポートフォリオに多くの不要なリスクが上乗せされている可能性があるため、投資家は次回のファンドの募集時には、投資すべきかを慎重に見極める必要があります。

 

ミドルマーケット: 緩やかな競争環境と低水準のリスク

フレックスストーンの投資戦略は、ファンド選定において慎重を期し、「不必要なリスクを負うことなく高いパフォーマンスを発揮できる」とチームが判断するファンドのみを選別的に選ぶことです。

フレックスストーンは、過度なレバレッジや、資産購入時の過当競争および高すぎるバリュエーションを避けるため、あえて小規模なミドルマーケット向けファンドにのみ資金を配分しています。具体的には、日常的な小規模ビジネスを行う企業に直接出資するファンドや共同投資案件(他の投資マネージャーと共同で企業に直接投資する形態)への投資を行います。一方で、限られた投資機会に多くの資本が群がり、レバレッジ水準が高く、テクノロジー・セクターへのエクスポージャーが高い大型企業への投資は行いません。フレックスストーンは様々な最終市場(エンドマーケット)に分散されたポートフォリオを構築しており、テクノロジー・セクターへの配分は非常に小さなものとなっています。

企業規模が小さい領域では、資産購入時のバリュエーションが低く、業務改善を通じて価値を向上させる余地が大きくなります。また、小規模な成長企業は、戦略的な買い手にとっても、より大規模なプライベート・エクイティ・ファンドにとっても魅力的な買収候補となります。そのため、中堅・中小企業を扱うプライベート・エクイティの運用会社は、イグジット(出口戦略)として数少ない新規株式公開(IPO)や、流動性の高い良好なクレジット市場だけに頼る必要がなく、幅広いイグジット(出口戦略)が可能です。

 

運用マネージャーを知り、投資機会を捉える

フレックスストーンは中堅・中小企業の領域において長年培ってきた専門知識を最大限活用して、エマージング・マネージャー・プログラムを立ち上げました。これは、ファンドの立ち上げ実績が1~3件しかない新しいマネージャーに対して、資金を配分するプログラムです。

過去25~30年にわたるプライベート・エクイティ市場のデータを分析したところ、エマージング・マネージャーは実績のあるマネージャーよりも高いパフォーマンスを示す傾向があることが分かりました。これは、大手のファンドほどより良い運用成績を残すという、一般的な見方とは異なるものです。

フレックスストーンでは、エマージング・マネージャーが優れた運用成績となるのは、「身銭を切っている」ためだと考えています。エマージング・マネージャーの場合、小規模なファンドであることから、年間の運用管理報酬への依存度が比較的低い一方、収益はイグジット(出口戦略)における投資先企業のパフォーマンスに強く連動します。

プライベート・エクイティ市場のこのセグメントでは、案件の規模が小さいため、バリュエーションが割安であり、運営上の非効率性も多く残されているため、投資先企業の企業価値を高める方法が数多く存在します。営業費用、調達、人事、金融市場へのアクセスと言ったような面で、改善の余地が大きいと考えられます。

またエマージング・マネージャーのファンドを構成する投資先企業は規模が小さいため、戦略的売却(他の市場参加者、通常は統合を目指すより大きな競争相手への売却)や規模の大きいプライベート・エクイティ・ファンドへの売却の比重が高めることが可能となるため、エグジットまでの保有期間が短縮され、定期的な分配を求める投資家のニーズにも応えることができます。

 

焦らず一歩ずつ前進を

プライベート・エクイティ市場におけるイノベーションは一般的には歓迎すべきものですが、投資家は慎重に行動する必要があります。世界中のプライベート・エクイティの運用会社やマネージャーとの緊密で強固な関係を誇る熟練した運用会社を活用することで、絶えず進化する高度に専門的なプライベート・エクイティの世界に対応することができます。上位25%と下位25%の運用会社の間には、依然として大きな運用パフォーマンスの差が存在するため、適切なマネージャー選定が成功の鍵となります。

1 Institutional Investor: LP Financing Solutions: A Creative Alternative for LPs Looking to Generate Liquidity, 2026.

2 出所: Lazard, 2025 Secondary Market Report.

ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ株式会社のグループ運用会社はいずれも金融商品取引法上の金融商品取引業者として登録されていません。本記事の情報はすべてグループ会社の投資対象・戦略等の一般情報提供を意図したものにすぎず、当社やグループ会社の商品またはサービスに関する投資または購入の勧誘または推奨するものではありません。

 

また本記事の内容は信頼できる情報源から得た情報に基づき作成されておりますが、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。また、過去の実績は将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。本戦略は、お客様との投資一任契約に基づき当社が当該契約口座内で投資を行うことを前提としています。金融商品取引業に関するお客様にご負担頂く手数料等には報酬及び有価証券の売買手数料等の諸費用等がありますが、それらの報酬及び諸費用の種類ごと及び合計額の金額・上限額・計算方法は、投資戦略、投資対象などの組み合わせ及び運用資産の規模等により異なりますので表示することが出来ません。投資一任契約に基づく運用は、主に国内外の株式や債券などの値動きがある有価証券を投資対象としており、運用資産は、価格変動リスク(特に株式の価格は株式相場の変動等により変動することがあります。)、流動性リスク、信用リスク等を被ることがあり、また外貨建て資産に投資する場合には、為替変動リスクを伴います。従いまして投資元本は保証されているわけではありません。投資一任契約に係るリスクや費用は、個別の一任契約により異なりますので、ご契約にあたっては、関連書面をよくお読み下さい。

 

当社の事前の承諾なく、本記事の一部または全部を使用、複製、転用、配付等する行為はお断りします。

DR-78441