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エネルギー移行は持続可能か?

4月 23, 2026 - 4 min
エネルギー移行は持続可能か?

エネルギー移行は持続可能なのでしょうか?それとも、エネルギー移行への投資は、ピークを過ぎたのでしょうか?

第47代米国大統領は、クリーンエネルギーの開発を抑制し、パリ協定からの離脱を表明するとともに、米国の陸地や海域における化石燃料の採掘を進める指令を出しました。各国が米国の例に倣うことで、米国だけでなく世界中で再生可能エネルギーの生産やインフラ整備が減少するリスクがあります。

こうした懸念は今や一般的に言われるようになっていますが、現実は、再生可能エネルギーへの投資が減少している兆候はあまり見られていません。

「欧州やアジアでは、インフラストラクチャーやエネルギー移行プロジェクトは非常に活発に進んでいます」と、ナティクシス・インベストメント・マネジャーズのグループ運用会社であるミローバで、マネージング・ディレクター兼プライベート・アセットおよびエネルギー移行ファンドのグローバル責任者を務める、ラファエル・ランスは語ります。

 

米国の政策におけるパラドックス

「ドリル、ベイビー、ドリル」(掘って、掘って、掘りまくれ)と要約できる米国の政策転換は、再生可能エネルギーの生産にとって明らかな逆風となっています。

「パラドックスなのは、米国においてこれほど多くのエネルギーを高消費するプロジェクトが存在したことは、かつてなかったということです」とラファエルは述べます。彼は、データセンターやAIの成長、そして2030年までにデータセンターが現在の電力消費量の99%を占めるようになるというGoogleの元CEOの証言1を指摘しています。

「再生可能エネルギーの増加なしに、それだけの需要を満たす唯一の方法はガス火力発電ですが、大手データセンターの所有者は総じてネットゼロの道筋を掲げているため、化石燃料による電力供給を望んではいないのです」とラファエルは話します。

米国の現状は一時的なものに過ぎないと、ラファエルは見ています。「政治的な立場は経済的な理由に基づいていないため、ずっと継続することはないでしょう」と続けます。

 

補助金の撤廃にもかかわらず、欧州の再生可能エネルギーは勢いを増している

対照的に、欧州は前向きな政策に支えられ活況を呈しています。これは、政府の補助金が段階的に撤廃され、より多くの再生可能エネルギープロジェクトが市場コストと価格で運営されるようになるなど、市場構造が変化したことにかかわらずの状況です。

この構造的な変化によって、投資案件を取りまとめる際により深い専門知識が必要とされるようになっています。「投資戦略の策定や実施において、私たちは以前よりはるかに機動的になっています」とラファエルは語ります。

現在ミローバでは、政府との取引だけでなく、グリーン電力を求める大企業や企業グループと相対的な取引を結ぶことが多くなっています。ミローバでは、電力の入札プロセスを始め、発電事業にとってベストな取引を確保するための専門のチームを置いています。

 

エネルギー主権への動き

エネルギー移行における最近の原動力は、欧州におけるエネルギー主権への希求です。

「ウクライナや中東での戦争、そして米国の保護主義は、エネルギー自立の重要性を浮き彫りにし、エネルギーインフラ投資家の共感も呼んでいます」と、ラファエルは言います。

いくつかの国では、原子力発電所の建設こそがエネルギー主権の鍵であるという結論に達していますが、ミローバでは、それほど単純な問題ではないと考えています。ラファエルは次のように述べます。「原子力は長期的なエネルギー源ですが、実際の稼働を細かく制御したり停止させたりすることはできません。つまり、原子力はベースロード電源であり、ピーク時の需要に供給を合わせることができないのです。そして、それが今日の重要ポイントです。」

一日のうちで特定の時間帯に需要が倍増した場合など、一定で変動のない供給しか生み出せない原子力だけで需要を満たすことは不可能です。

需要と供給を一致させうる可能性が、再生可能エネルギーが新たな蓄電ソリューションと送電網の構成とを組み合わされることで、そのメリットを発揮する場面となるでしょう。

 

蓄電は再生可能エネルギーの有効性にとって不可欠

送電網が需給のバランスを調整できなかったことが、2025年4月にスペインとポルトガルで発生した停電の主な要因でした2。より優れた再生可能エネルギー用の蓄電技術と送電網構成への転換によって、将来的に同様の停電を防ぐことができるようになるでしょう。

「蓄電設備は送電網からエネルギーを瞬時に引き出せるため、供給過剰時には蓄電に対して収入が得られます。また、需要が高まる時に送電網へ電力を供給することで収入が得られます。」

ミローバでは欧州各地で数多くの蓄電関連投資を行っています。英国での実績が最も多く、ドイツとフランスがそれに続きます。「今日では、蓄電施設を併設せずに太陽光発電所を建設することは考えられません」と、ラファエルは付け加えます。

 

ハイブリッド化:発電の分散化

蓄電技術の革新は、分散型電力網の基盤となり、ひいては需給の最適化をもたらすでしょう。

複数の発電方式による電力をシステムに供給したり、取り出したりできる、「送電網のハイブリッド化」には投資が必要です。ハイブリッドな送電網では、多様な発電方式の組み合わせにより、高いレベルのエネルギー安全保障と安定性を提供できるようになります。

「多くの国が電力供給の変動性を低減するためにハイブリッド化を推進しています。特にスペイン、ポルトガル、ポーランドでの投資が活発です」とラファエルは指摘します。

これらの急速に進化するエネルギー技術は、まもなくAIによってさらに強化されるでしょう。AIは電力の需給をより正確に予測・最適化し、それによって送電網を最適化できます。ラファエルは言います。「私たちはスマートグリッド(送電網)とスマート消費の成長の始まりに立っているのです。」

 

再生可能エネルギーインフラはその安定性を証明

再生可能エネルギー技術の発展は、エネルギー生産とそれを可能にするインフラの両面で、獲得できる価値が豊富にあることを意味します。これは、ミローバが活動する中規模案件の分野において特に当てはまります。この分野においては、機関投資家の資金が同じ資産に対して競合することが比較的少ないためです。

過去12ヶ月間、ミローバは500件以上の案件(合計115GW超)を分析し、10億3000万ユーロ以上のエクイティ投資を行い、OECD加盟20カ国において資金提供したプロジェクトの総数は1000件を大幅に超えました³。ミローバでは、エネルギー移行インフラファンドとして45億ユーロを運用しています⁴。

エネルギーインフラプロジェクトは、過去3~4年間のインフレ環境下でも収益の堅調さを維持しており、電力収入はインフレ率と同等か、あるいはそれを上回るペースで推移しています。「2022年以降の変動の激しい環境において、優れた分散投資の手段であり、ディフェンシブ戦略でもあることを示しています」とラファエルは述べています。

 

結論:バリューチェーンを理解した投資戦略

再生可能エネルギー領域は急速に変化しています。そして、その大きな価値を引き出すためには、投資家はあらゆる新しいサービスやソリューションのすべてに関与していることが重要です。そうすることで、長年にわたり確立されたステークホルダーとのネットワークを有し、電力市場がどのように変化しているのかを理解し、かつその急速な変化に対応できる体制を整えている投資家や事業者は、多くの潜在的価値を創出することができます。

1 米下院エネルギー・商業委員会、『AI技術、人類の発見、および米国の国際競争力の未来』、2025年4月9日

2 ガーディアン紙、『スペインとポルトガルの停電:原因は何だったのか、サイバー攻撃はあったのか?』、2025年4月19日

³ 2025年12月31日現在

⁴ 2025年12月31日現在

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