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プライベート・アセット

市場はどのようにプライベート・エクイティを淘汰し、強化しているのか

5月 19, 2026 - 4 min
市場はどのようにプライベート・エクイティを淘汰し、強化しているのか

金融業界では市場の集中に関する議論で持ちきりですが、一般の目に触れないところで、プライベート・エクイティもまた独自の複雑な状況を乗り越えようとしています。本稿では、ナティクシス・インベストメント・マネジャーズのグループ運用会社でプライベート・マーケットに強みを有するフレックスストーン・パートナーズ(以下フレックスストーン)による、プライベート・エクイティ市場の最新トレンド、課題、機会に関する新たな洞察を展開します。

株式とプライベート・エクイティにおける市場集中について

上場株式市場と同じように、ここ数年、プライベート・エクイティの世界では著しい集中が見られました。しかしこの集中は、主にごく少数の非常に大型のファンドの周りで起きている現象であり、同時に小型のファンドも依然として存在しています。その結果、フレックスストーンでは、プライベート・エクイティ市場の中でも大型のものはより集中が進んでいる一方で、中小型の市場はそうでもないとみています。

このことは、投資家、企業、ファンドマネージャー、それぞれにとって非常に意味があると考えています。フレックスストーンのような中小型市場に特化した運用会社にとっては、大きな投資機会となるからです。これは、常々私が話していることですが、世界の企業の80%以上が非上場(プライベート)であり、世界はプライベートなのです。そして、そのほとんどの企業は、規模・収益・利益において小さいものだからです。このことが、中小型のプライベート・エクイティ市場の世界において、投資家にとっての価値を生み出す機会を創出しています。

プライベート・エクイティの価値創造モデルが変化してきている理由

経済が急速に変化するとき、プライベート・エクイティの長期投資モデルが企業の将来を担うのには十分ではないと考える投資家もいます。フレックスストーンによれば、依然としてプライベート・エクイティへの投資は、長期的な投資戦略であり、その考えが変わることはありません。変わりつつあるのは、価値を生み出すことがはるかに困難になりつつあるという点です。

プライベート・エクイティにおいてどのように価値が創出されるかを見たとき、3つの要素が必要になります。レバレッジ、マルチプルの拡大、そして購入する原資産、つまり対象企業の成長です。昔は安価にレバレッジを活用できたことから、投資先企業に多くのレバレッジをかけることができました。マルチプル(投資倍率)拡大も、ほぼ確実に期待できたものです。そうしたことから、この2つの価値創造レバーがあれば、5年間で2.5倍のリターンを生み出すためには、購入する企業の成長率がわずか5%でも十分だったのです。

現在では、レバレッジは高価なものとなり、アクセスしにくくなりました。購入時の投資マルチプル(投資倍率)は非常に高くなっていることから、マルチプル拡大も不可能に近いものとなっています。そのため、対象資産レベルで年間12%のグロス成長率を生み出すことができなければ、投資家のために2.5倍のリターンを得ることはできません。つまり、投資家やプライベート・エクイティの専門家は、購入する企業を毎年12%成長させるようサポートする必要があります。それは決して容易なものではなく、プライベート・エクイティの運用にかかわるものにとっては、話の全く異なる状況となってきます。

今後3~5年間のプライベート・エクイティ市場における、最大の脅威と機会

どのような資産クラスであっても投資家は不確実性を嫌います。そして、現在、投資家は多くの不確実性に直面しています。地政学的な不確実性、そして突如として浮上した金利の不確実性です。金利はプライベート・エクイティのリターンの主要ドライバーです。フレックスストーンでは、これらの不確実性が今後2~3年間における脅威であるとみています。

投資機会という側面では、プライベート・エクイティ全般において多くの成熟が見られると思います。プライベート・エクイティは資産クラスとして、より洗練されたものになってきており、その結果非常に魅力的な新しい投資戦略が編み出されています。もちろん、過去数年間で大幅な成長を見せたセカンダリーやその派生商品もあり、それらは今後も成長を続けるでしょう。フレックスストーンでは、セカンダリーへの配分を増やすことにも非常に興味を持っています。また、新興マネージャーのトレンドや、ファンドレス・スポンサーのトレンドにも注目しています。現状ではまだ市場の比較的ニッチなサブセグメントではありますが、今後大幅に成長するとみており、そこに資金を投下していきたいと考えています。

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