重要

【重要】当社および当社職員を騙った勧誘や偽のサイト・ソーシャルメディアにご注意ください 。詳細はこちら

投資家種類選択に戻る

当社グループのグローバルサイトは、以下のリンクよりご覧頂けます。

地域別の商品やサービスについて、ご自身の地域のナティクシス・サイトをお選びください

アメリカ

アジア・パシフィック

ヨーロッパ

上記以外

株式

型にはめずに – 投資スタイルは現在も有効か?

9月 01, 2026 - 8 min
Cyclists racing in a tight group

パトリック・リー
バイス・プレジデント、ストラテジー・ディストリビューション、ボーン・ネルソン・インベストメント・マネジメント 

 

何十年もの間、投資業界では株式ポートフォリオを「グロース」と「バリュー」という2つの主要なカテゴリーに分類してきました。この分類は1990年代に主に投資信託業界によって普及しました。その後、ラッセルやS&Pの指数によって制度化されており、投資家が何をなぜ保有しているのか理解するための枠組みとして活用されています。「グロース」株とは、平均以上の利益成長を示し、通常は割高な評価を受けている銘柄を指します。一方で「バリュー」株は、低い株価収益率(PER)や株価純資産倍率(PBR)を特徴とし、多くの場合、配当が支払われる銘柄です。この2つのカテゴリーは、投資ユニバースにおける対立する二極として扱われてきました。

この枠組みはより単純だった時代には有用でしたが、世界の資本市場が再構築される構造的変革には追い付けていません。ハイテク企業が主導するメガキャップ(超大型株)の台頭、金利サイクルの変動性、そしてアルゴリズム投資やファクター投資の普及により、従来の「グロース対バリュー」という二分法は、単に不正確であるだけでなく、誤解を招くものとなりました。

 

スタイルボックス投資の起源と論理

バリュー投資の実証的な基盤は、ベンジャミン・グレアムとデビッド・ドッドの共著「証券分析」(1934年)に遡り、数十年にわたる学術研究、とりわけ、ファーマ‐フレンチの3ファクターモデルによって裏付けられてきました。一方、グロース投資は、フィリップ・フィッシャーや、後のピーター・リンチの思想から着想を得たものです。彼らは、持続可能な競争優位性を持ち、長期的な成長余地がある企業を見極めることこそが、割安株探し(バーゲンハンティング)に終始するよりも、忍耐強い投資家には、はるかに大きなリターンをもたらすと主張しました。

「グロース対バリュー」という枠組みは、実用的な必要性から生まれています。1980年代から1990年代にかけて投資信託が急増する中、投資家やアドバイザーはファンドを比較し、分散投資ポートフォリオを構築するための簡単で便利な手法を必要としていました。1992年に導入されたモーニングスターの「スタイルボックス」は、時価総額とバリュエーション特性のグリッド上にファンドを配置するもので、業界スタンダードとなりました。その背景にある直感は、的を射たものでした。現在のバリュエーションが低く、安定したキャッシュフローを持つ企業(いわゆる「バリュー株」)は、高いマルチプル(株価倍率)で急成長を遂げる「グロース企業」とは異なる値動きをする傾向があるという考え方です。

どちらの投資哲学にもメリットがあり、両者は共存することが可能でした。なぜなら、これら2つの投資哲学が対象としていたのは、業界の定義が明確で、比較的安定した競争環境の中で事業を展開する、本質的にまったく異なるタイプの企業を正確に表していたからです。 

 

なぜこの枠組みが機能しなくなったのか

従来の投資枠組みに対する最も根源的な課題は、驚異的な急成長、高い収益性、そして強力なキャッシュ創出力を同時に兼ね備えた「成熟したグロース企業」の台頭です。かつては、FAANGと呼ばれ、近年では「マグニフィセント・セブン」と称されるこれらの一群は、従来の分類には該当しません。

例えば、アルファベット(旧グーグル)を例にあげてみましょう。同社は年間1,000億ドル以上のフリーキャッシュフローを創出し、市場平均を下回る低金利で投資適格社債を発行し、配当を支払い、積極的な自社株買いを行っています。これらはすべて、従来であれば成熟した「バリュー企業」にみられる行動パターンです。その一方で、同社は主力であるクラウド事業やAI事業を年間2桁パーセント台のペースで成長させ続けています。このような企業を「グロース」か「バリュー」のどちらか一方の枠に無理に当てはめようとすれば、その企業の核心的なファンダメンタルズの特性を見誤ることになります。

驚くべきことではないかもしれませんが、この状況は指数の構成銘柄に重複をもたらしています。2026年5月現在、ラッセル1000バリュー指数とラッセル1000グロース指数の双方に採用されている企業は、248社にのぼります。ラッセル1000バリュー指数の約30%、そしてラッセル1000グロース指数の60%近くが、この「混合」グループに属しているとすれば、カテゴリーの構成基準に明らかな混乱が生じていると言えます。そしておそらく、私たちはカテゴリーの存在意義そのものについても、疑問を呈すべきなのかもしれません。

 

AIという破壊的変数

人工知能(AI)ほど、これまでの伝統的なカテゴリーを根底から揺るがすほどの力を持つものはありません。AIは単なるテクノロジーセクターだけの現象ではなく、業界の垣根を越えて既存の秩序を覆す「クロスインダストリー・ディスラプター」なのです。AIは、安定してキャッシュを創出していた「バリュー」企業を、あっという間に陳腐化した存在へ変貌させます。その一方で、「典型的な」グロース企業に分類されている企業の生産性(および利益率)を劇的に向上させることも可能にします。

示唆に富む良い例は、エヌビディアです。もともとは景気循環型の半導体メーカーであり、不況期にはバリュー株の境界線上に位置するような企業でした。しかし、同社は従来のバリュエーション・フレームワークでは予測もできず、価格に織り込むこともできなかったAI需要に後押しされ、わずか2年の間に世界で最も価値のある企業へと上り詰めました。その一方で、少し前までは信頼できるバリュー投資先に見えた多くの伝統的なメディア、ソフトウェア、データ関連企業が、大規模言語モデル(LLM)の登場によって、突如として存亡の危機に直面することになりました。このような急変する環境下において、「グロース対バリュー」というラベル貼りは、将来のリターンやリスク、あるいは企業の長期的な存続可能性について、投資家に有益な情報を何一つもたらしてはくれないのです。

 

投資スタイルを置き換えるべきか

「グロース対バリュー」という従来の枠組みを手放すことは、分析における規律を放棄するということではありません。大雑把な二分類システムを、現代経済における価値創造と価値破壊のからくりをより的確に反映し、より豊かな変数へと置き換えることを意味します。この適応は、コロナ禍以降の数年間に多くの投資家が経験した、投資スタイルに左右される平均回帰型の市場の乱高下を軽減することにもつながります。

プロの投資家は、企業のビジネスの質と持続可能性を軸に捉えて、自らの投資アプローチを組み立てる裁量が必要です。魅力的な投下資本利益率(ROIC)や自己資本利益率(ROE)、強力なフリーキャッシュフロー創出・転換力、強固で盤石な競争優位性、そして将来の資本を投資収益の向上につながるプロジェクトへ配分できる経営陣-これらこそが、成功を収める企業の特徴です。

一方で、ファクター分析を用いることは、モメンタムや収益性、ボラティリティといった変動要因へのエクスポージャーを正確に特定するのに役立ちます。また、テクノロジーの変化や規制の改定、あるいは構造的な需要変動に対する企業の脆弱性を、定性的かつ定量的に評価するディスラプション・リスクへの鋭い着眼は、単なる「グロース対バリュー」というパラダイムよりも、運用者がより一貫性があり、信頼性の高い予測力を獲得する助けとなります。これらはいずれも、現代経済における極めて重要なリサーチ分析のインプットなのです。

 

まとめ

「グロース対バリュー」という枠組みは、一世代前の投資家に大いに貢献しました。この枠組みは投資に秩序を与え、銘柄間の比較を可能にし、何百万人もの個人投資家に「株価と予想リターンの評価」という概念を普及させました。しかし、フレームワークはあくまでツールであり、真理ではありません。そして、ツールというものは、それを使って行う作業の変化に合わせて、進化させていかなければならないのです。

現代の経済において、最も重大な投資判断を二者択一のレンズを通して下すことはできません。AIインフラ関連株を保有すべきか、エネルギーのような景気循環産業をどのように評価して株価を設定し、配当を支払う巨大テック企業はインカム・ポートフォリオとグロース・ポートフォリオのどちらに組み入れるべきか、といった問いは、いずれも極めて微細なニュアンスを含んだ複雑なテーマです。次の100年間で最も大きな富を創出する企業とは、従来の枠組みでは捉えきれない形で、成長力、収益性、そして回復力を融合させた企業と言えます。

投資スタイルに固執する投資家は、自らリスクを背負うことになるでしょう。未来は、「これはグロース株か、それともバリュー株か?」と問いかける人にではなく、「これは妥当な株価で取引されている、きわめて優れたビジネスだろうか?そして、避けては通れないディスラプションを乗り越えられるだろうか?」と問い続ける人にあると言えるでしょう。

How to deal with unquantifiable short-term risks
今年の第1四半期に起きた地政学的なショックにより、市場は混乱に陥りました。2025年に市場全体でアウトパフォームしていた「マグニフィセント・セブン」銘柄は急落し、投資スタイルの主流が「グロース(成長株)」から「バリュー(割安株)」へと移行しました。
AIの長期戦を制する4つの方法
AIは「この10年を代表する投資テーマ」というのが一般的な見方です。 ナティクシス・インベストメント・マネージャーズのグループ運用会社のうち、ルーミス・セイレス、ハリス・アソシエイツ、WCMインベストメント・マネジメント、ボーン・ネルソンの4社を見ると、いずれも「AI(人工知能)」そのものに投資しているわけではなく、個々の企業を起点として投資プロセスを通じ、結果としてAIへのエクスポージャーを取っています。そして、そこに至る過程の違いこそが、各社間の比較を示唆に富むものとしています。
入念かつ忍耐強い投資家には持続的成長の余地が引き続き存在
株式投資の世界で30年以上のキャリアを有するルーミス・セイレスのアジズ・ハムゾウラリ。彼は、市場のバブルや調整局面について、そして不確実性の高い環境下では、構造的かつ持続的なリスク削減の手法が求められる理由を熟知しています。

本記事には、すべての国・地域で登録されているとは限らない著作権、指数(インデックス)、および商標への言及が含まれている場合があります。第三者の登録商標等はそれぞれの所有者に帰属し、ナティクシス・インベストメント・マネジャーズまたはその関連会社・子会社とは提携関係にありません。また、これら第三者である所有者は、ナティクシス・インベストメント・マネジャーズのサービス、ファンド、その他の金融商品の提供を支援、承認、またはこれに関与するものではありません。

本記事に含まれる指数情報は第三者から取得したものであり、「現状有姿(そのままの状態)」で提供されています。当該情報の利用者は、その利用に伴うすべてのリスクを負うものとします。指数情報の編集、算出、または作成に関与した各第三者機関は、当該情報に関して、すべての保証(独創性、正確性、完全性、適時性、非侵害性、商品性、および特定の目的への適合性に関する保証を含みますが、これらに限定されません)を明示的に否認します。

特に明記されていない限り、表示されている金額はすべて米ドル(USD)表記となります。

本記事における特定の有価証券、セクター、または市場に関する言及は、投資助言、特定の有価証券の購入もしくは売却の推奨・勧誘、またはサービスの提供を意味するものではありません。

本記事は情報提供のみを目的として作成されたものであり、投資の助言として解釈してはなりません。本記事に記載された見解は記載日時点のものであり、今後変わる可能性があります。本記事の予測どおりに事態が展開する保証はありません。投資にはすべて、損失リスクを含むリスクが伴います。どのような投資戦略やリスク管理手法であっても、あらゆる市場環境においてリターンを保証することやリスクを排除することはできません。株式、債券、オルタナティブ投資には投資に関連するリスクが伴います。運用目標が達成される保証も損失が回避される保証もありません。

ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ株式会社のグループ運用会社はいずれも金融商品取引法上の金融商品取引業者として登録されていません。本記事の情報はすべてグループ会社の投資対象・戦略等の一般情報提供を意図したものにすぎず、当社やグループ会社の商品またはサービスに関する投資または購入の勧誘または推奨するものではありません。

また本記事の内容は信頼できる情報源から得た情報に基づき作成されておりますが、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。また、過去の実績は将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。本戦略は、お客様との投資一任契約に基づき当社が当該契約口座内で投資を行うことを前提としています。金融商品取引業に関するお客様にご負担頂く手数料等には報酬及び有価証券の売買手数料等の諸費用等がありますが、それらの報酬及び諸費用の種類ごと及び合計額の金額・上限額・計算方法は、投資戦略、投資対象などの組み合わせ及び運用資産の規模等により異なりますので表示することが出来ません。投資一任契約に基づく運用は、主に国内外の株式や債券などの値動きがある有価証券を投資対象としており、運用資産は、価格変動リスク(特に株式の価格は株式相場の変動等により変動することがあります。)、流動性リスク、信用リスク等を被ることがあり、また外貨建て資産に投資する場合には、為替変動リスクを伴います。従いまして投資元本は保証されているわけではありません。投資一任契約に係るリスクや費用は、個別の一任契約により異なりますので、ご契約にあたっては、関連書面をよくお読み下さい。

当社の事前の承諾なく、本記事の一部または全部を使用、複製、転用、配付等する行為はお断りします。

DR-81988