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米国株のリスクが高すぎる場合、株式のポートフォリオはどこに分散すべきか

12月 23, 2025 - 4 min
米国株のリスクが高すぎる場合、株式のポートフォリオはどこに分散すべきか

AIが牽引した株式「バブル」の行方は、“シュレーディンガーの猫”の健康状態を測るのと同じくらい予測困難な一方で、ナティクシス・インベストメント・マネジャーズが日本で開催したCEOシンンポジウムで行われた株式のパネルセッションでは、株式市場のリスクが現在高まっていることで意見が一致しました。同時に、アクティブ運用者や精通した投資家にとっては、豊富な投資機会が存在することも確認されました。

 

米国株式のリスクは高まっている

予想に難くなく、シンポジウムでの主要な議題は、バリュエーションでした。オシアムのCEO兼共同創業パートナーであるブルーノ・プーランは、シラー教授が開発した市場評価指標であるS&P500のCAPEレシオは、「史上2度目となる40の水準に達しました」と指摘しました。「前回は1999年」——つまりITバブル崩壊直前の水準というわけです。

必ずしも市場暴落が差し迫っているとは考えていないものの、現状二つの警鐘を鳴らしていると彼は続けます。「一つは、こうした水準に達した後は、通常、リターンが低下します。もう一つには、市場からの外部ショックに対する感応度が高まります。つまり、リスク・バジェッティングを調整する必要があることを示しています。」

ハリス・アソシエイツでディストリビューション部門責任者を務めるT.F. マハーは、割高なバリュエーションに加え、米国株式市場内の集中度上昇を懸念します。マハーは、テクノロジー株への集中と少数の銘柄への偏重により、S&P500が「メガキャップ・グロース株ファンド」に類似していると指摘しました。「ごく少数の銘柄がS&P500指数の25%以上を占めていることを踏まえると、S&P500を分散投資型指数と呼ぶには難しいと考えています。」

ボーン・ネルソンのCEO兼CIOであるクリス・ウォリスも、現時点で最大のリスクは「米国大型株パッシブ指数内の過度な集中」であることに同意しています。ただし、ウォリスは、アクティブ運用者にとっては、必ずしも不利とは考えていないと話しました。ボラティリティを活用することで個別銘柄のより魅力的な売買ポイントを得られるからです。

 

分散投資のためにどこに目を向けるべきか

T.F.マハーが米国全体のバリュエーションを懸念しつつも、ハリス・アソシエイツでは金融・ヘルスケア・エネルギー分野に依然として割安感を見出しています。「ハリス・アソシエイツでは、S&P500指数の約半分の株価収益率で取引されながらも、グロース型の特性と非常に類似した米国バリュー株でポートフォリオを構築することが可能です」と、マハーは言います。ハリス・アソシエイツはまた、欧州株と日本株にも楽観的な見方をしています。日本市場では、中小型の内需関連株を好み、特にソフトウェア・サービス分野のバリュエーションが魅力的と見ています。

WCMインベストメント・マネジメントでクライアント・ポートフォリオ・マネージャーを務めるダニエル・ワイカートは、「過去に有効だった手法が今後通用しにくくなる転換点」が近づいていると指摘します。このため、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)、アウトソーシングITサービス、過熱気味のAI関連銘柄などには警戒感を示しています。その一方で、「メタ、アマゾン、グーグル、マイクロソフトが今年、ハイパースケーラーのキャパシティ拡充に投じた3,640億ドルの資本コミットメント」には機会があると見ています。これには空調設備(HVAC)、光ファイバー、冷却システム、電力、電化などの分野が含まれます。ワイカートはまた、NATO加盟国が2035年までに国防費をGDPの5%まで引き上げるという公約が、欧州をより魅力的な投資先にしたと考えていると共有しました。特に防衛とインフラ分野の機会を高く評価しており、これらは「長年慢性的な資金不足に陥っていました」と続けました。

パネルディスカッションでは、こうした高まるリスクがアクティブ運用者にとって多様な機会を生み出す点で、全員の意見が一致しました。ボーン・ネルソンのクリス・ウォリスは、パネリストの中でも特に楽観的な見解を示しています:「ニュースのヘッドラインが日々変わる環境ではありますが…、私たちは世界中で、時価総額の大小にかかわらず、優れた投資機会を見出しています。」

日本で開催されたシンポジウムの様子は、下記のハイライト動画でご覧いただけます。

上記分析および意見は、ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ・シンポジウムが開催された2025年11月13日時点のものであり、変更される可能性があります。これらは、いかなる契約上の価値も有するものではありません。当該記事に記載された見解は、執筆時点でのものであり、予想されている通り事態が確実に進展する保証はありません。

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