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株式

市場のボラティリティはバリュー投資家にとって魅力的な機会を創出

5月 30, 2025 - 5 読むのに必要な時間

株式市場はしばしば「ジェットコースターのような乗り物」と表現されます。2025年に入ってから投資家が経験したような緊張感あふれる状況において、この表現がこれほど適切だったことは稀です。最近の市場のボラティリティは多くの人々にとってストレスの多いものでしたが、アクティブ・マネージャーや入念に準備していた投資家にとっては、優良企業を割安で購入する魅力的な機会を提供しました。

著名なバリュー運用会社であるハリス・アソシエイツ(以下、ハリス社)の米国CIO兼ポートフォリオ・マネージャーのビル・ナイグレンは、バリュー投資家にとってエキサイティングな時だと述べています:

「私たちは、S&P493(マグニフィセント・セブンを除くS&P500の 493銘柄)がマグニフィセント・セブンを上回るリターンと、より低いボラティリティをもたらす環境にあると考えています。過大なリスクを取らずに超過リターンを追求する投資家にとって、人気を集めている数少ない銘柄以外のところに多くの機会が存在しています。」

「過去10年間の大部分において、S&P 500は時価総額の大きなテクノロジー企業に集中し、それらの銘柄が市場の他の銘柄よりも大幅に優れたパフォーマンスを示していたため、ベンチマークとして上回ることが非常に難しい存在でした。しかし、2025年第1四半期には、いわゆる『マグニフィセント・セブン』(アルファベット、アマゾン、アップル、メタ、マイクロソフト、エヌビディア、テスラ)の平均株価は16%下落しました。実際、マグニフィセント・セブンの平均リターンは2024年7月初旬以来ではマイナスに転じ、2024年12月のピーク時から20%下落しています。これが投資のパターンです:誰もがその投資が素晴らしいと語り始めた時、それは通常、もはやそれほど素晴らしいものではありません。」

株式のバリュエーションは高水準にあり、株式の投資機会も高まっている

米国株式は第1四半期に下落し、投資家の注目はマクロ経済イベントに移りましたが、米国の大型株指数は依然として長期平均を大幅に上回るバリュエーションで取引されています。また、最近のラリーが狭い範囲の銘柄にとどまっていることにより、ディスパージョン(つまり、銘柄間のバリュエーション格差)は通常のレベルを大幅に上回っています。以下のグラフは、S&P 500指数で最も高バリュエーションの株式では株価収益率(PER)が過去15年間で大幅に上昇した一方、最も低いバリュエーションの株式はほとんど上昇していないことを示しています。

S&P 500の株価収益率(分位別)

S&P 500 P/E ratios by decile

(凡例)80パーセンタイル、20パーセンタイル

出典:FactSetのデータをもとに、ハリス・アソシエイツ作成 期間:1990年12月31日~2025年3月31日。株価収益率は直近12ヶ月。上記は過去の運用実績であり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。

ハリス社のクライアント・ポートフォリオ・マネージャーであるダニエル・ニコラスは、これは最近の市場が合理性によって支配されていないことを示すもう一つの証拠であると指摘しています:

「実際、現在の市場は1990年代後半のテクノロジーブームを強く連想させます。グロース株がバリュー株を大幅に上回る格差および全体的なバリュエーションの類似性は不気味なほどです。AIに対する興奮は、パーソナル・コンピューター登場時の盛り上がりを想起させます。資本収益率や1株当たり価値の成長が優れた企業でも、マグニフィセント・セブンではない、あるいは直接的にAI関連銘柄に含まれないだけで取り残されています。ディスパージョンが非常に大きく、バリュエーションが非常に高いこのような時期こそ、バリュー投資家がアウトパフォームする傾向があります。」

現在のS&P 500はあなたが思っているよりリスクが高い

「2025年4月現在、S&P 500で時価総額の大きい5銘柄を合計すると、指数全体の約25%を占めています」とビル・ナイグレンは指摘します。「こうした銘柄集中度は広く報じられていますが、同様の集中度が生じていた時期は1957年まで遡る必要がある点は、それほど報じられていません。1957年当時、S&P 500の約26%は、GM、GE、エクソン、デュポン、AT&Tの5銘柄に集中していました。」

以下のグラフは、1950年代のこの市場集中度のピーク後、これらの5社は他の銘柄に継続的に劣後し、その後の40年間で指数内のウェイトを維持できなかったことを示しています。

S&P 500の主要5銘柄の時価総額比率

Top five S&P 500 holdings’ share of market capitalization

出典:National Bureau of Economic Research(全米経済研究所)、 Empirical Research Partners Analysis、期間:1950年~2025年3月31日。2025年3月31日時点のS&P 500の主要5銘柄は、アップル、エヌビディア・コーポレーション、マイクロソフト・コーポレーション、アマゾン・ドットコム、メタ・プラットフォームズ・クラスA株。上記は過去の運用実績であり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。

現在、S&P 500は少数の銘柄に過度に集中しているだけでなく、セクターの観点からもますます集中度が高くなっています。1957年には、自動車、産業、石油、通信、化学など、多様なセクターに分散していました。現在の銘柄はほぼすべてIT産業に集中しており、S&P 500の30%を占めています1

米国と世界の大型株指数は近年大幅に割高になっていますが、ハリス社の戦略における平均バリュエーションは10%台で取引されています2。ビル・ナイグレンは今年1月に次のように指摘しています: 「現在のS&P 500は、ハリス社の大型株戦略における株価収益率のほぼ2倍で取引されています。この差は異常なほど広がっており、バリュー投資家にとって有利な状況を生み出しています。現在のS&P 500が大型テクノロジー銘柄に過度に集中していることから、バリュー投資家にとってのメリットは、割安な銘柄が他のセクターに分散している点です。そのため、現在、多くのセクターにわたり、低い株価収益率の銘柄で非常に分散されたポートフォリオを構築する、まれな機会が存在すると考えています。」

株価が低いほど、潜在的なリターンは高い

株式市場が今後どこに向かうかを正確に予測することは誰にもできませんが、過去のパフォーマンスを分析することで、確率を推定することは可能です。以下のチャートが示すように、歴史上、市場がこのような高水準にある場合、平均を下回るリターンが続く傾向があります。

S&P 500の予想株価収益率(PER)とその後5年間の年率リターン

S&P 500 forward price-to-earnings (P/E) and subsequent five-year annualised returns

(縦軸:年率リターン/横軸:予想株価収益率(PER))

出典:FactSet、Morningstar Direct。2025年3月31日現在。リターンは1999年8月31日を起点に60ヶ月間の年率換算トータルリターンを月次で測定したもの。過去のパフォーマンスは将来の成果を保証するものではありません。現在のパフォーマンスは、提示のパフォーマンスデータよりも低くなったり高くなったりする可能性があります。すべてのリターンは、配当・キャピタルゲイン再投資後および取引コスト控除後の数値を反映しています。

ただし、先ほど述べたように、高い全体的なバリュエーションはS&P 500指数全体にのみあてはまります。アクティブ・マネージャーや賢明な投資家は、はるかに低い株価収益率で分散されたポートフォリオを構築する大きな機会があります。

割安となっている企業もこの状況を活用する機会があります。ダニエル・ニコラスは次のように述べています:「当社の保有銘柄の多くは、余剰資金を株主への還元(増配、自社株買い、または他の方法)に充てています。当社は、割安で低PERとなっている自社の株を買い戻すことが、企業が実施できる最良の”買収”戦略の一つだと考えています。」

バリュエーションは再び投資家の関心事になりつつあるのか?

市場は、グローバルなマクロ経済と地政学的なレベルで生じている大きな変化に伴い、激しいボラティリティの時期にあります。この変化とボラティリティの期間がどれほど続くか、またそれがグローバル経済と株式市場をどのように再構築するかは誰にも分かりません。しかし、投資家が再びファンダメンタルズに回帰し始めている兆候があります。投資家は、自らが銘柄に投じる株価に再び関心を示し始めている可能性があります。ラッセル1000バリュー指数は、2025年最初の3ヶ月間でラッセル1000グロース指数を10%以上上回りました3。しかし、このアウトパフォームにもかかわらず、バリューを探し求めるストック・ピッカーにとって魅力的な環境が続いています。

ビル・ナイグレンは、米国株式市場はバリュエーションの劇的な乖離のため、バリュー投資家にとってすでに魅力的な環境であり、今回の市場のボラティリティが投資機会をさらに魅力的なものにしたとみています。

1 Spglobal.com、2025年3月31日現在

2 出典:ハリス・オークマーク、2025年3月31日現在、Harris Large Value StrategyのPERは11.6倍に対し、S&P 500は20.3倍

3 FTSE Russell Index Calculator。2025年1月1日から2025年3月31日まで。

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